片麻痺の症状をもった方の歩行練習について
こんにちは。
今月より勤務しておりますリハビリセンター岡崎駅前の飯塚です。
今回は、リハビリセンター岡崎駅前での、脳卒中後遺症(脳梗塞、脳出血など)で片麻痺の症状をもった方への歩行練習指導について一部分を紹介したいと思います。
まず歩行練習といえば、“ただ歩けば良いんでしょ!”と思われる方が多いと思います。
もちろんただ歩く練習でも、歩くことによって体力がついたり、足腰に力が付いたりといった効果があるかと思います。
でも、せっかく歩く練習をするなら、“どこかに意識して歩いてみてはいかがでしょうか?”
実際の歩行練習指導の一例としては、
例えば、片麻痺の症状をもった方では、歩く際、麻痺したほうの足が地面に引っ掛かりやすく、つまずきのリスクをもった方がいます。
そういった方は、足が地面に引っ掛かるからと、
“よし、足を出すときは力を入れて足を前に出そう!”と
いった考えになっている方が多いように感じます。
“力を入れよう、力を入れよう”と意識することで、力を込めすぎて、足を前に出すのに、足以外の腕にも余計な力が入ってしまう方もみられます。
こういった考えが悪いのではなく、もっと違ったことを意識することで動きが改善される可能性があります。
では、そのような方はどんなことを意識するのが良いのでしょうか?
① 足を前に出すときに使う関節や筋肉の動きを意識する(詳細は、今回は割愛します)
② 足を前に出すときの膝の向き(ひざのお皿が、どこを向いているか)を意識する
③ 足を前に出して、どのあたりに足が着地するかを意識する
など…ちょっとした意識の違いで動きが変わってくることがあります。
ちょっとした意識で動きが変わる例としては、ほかにも
皆さん、野球ボールを投げるときを想像してください。
ボールを投げる際、手の位置を意識するか、ボールを投げる時の肩の動きを意識するか、肩と肘の位置関係を意識するかで、動きが変わってきます。実際に試してみてください。
ちょっと余談がありましたが、、、
さきほどの麻痺したほうの足が地面に引っ掛かりやすく、つまずきのリスクをもった方が、
指導を受けた後は
“よし、足を出すときは力を入れて足を前に出そう!”という考え方から
①~③の方法に変えるだけで、
動きが変わり、また足を出す時の余計な力が抜け、省エネで足を出すことができ、歩くのが楽になる可能性があります。
もちろん、最初は普段意識していない歩き方で、スムースに歩けないことも多いです。
いきなりスムースに歩くのは難しいです。
また例えになりますが、ピアノを始めて習う方も、いきなりスムースに指を動かせる訳ではありません。
ピアノを弾くのに当たって、鍵盤の位置や指の動きを頭(脳)で意識して、繰り返すことで、そこまで意識せずとも弾けるようになります。
私はピアノは弾けませんが(笑)
歩行も一緒です。最初は意識して歩きますが、繰り返すことで自然と意識せずとも楽に足を前に出すことができるようになってきます。
ここで1つポイントとしては、今回①~③まで例を出しましたが、
残念ながら“これだけ意識してやれば良い”といったようなものがありません。
歩行など1つの動きに対して、利用者様と私たちが一体となり、課題を通じて、セッションするなかで、ようやくその方にあった意識というものが見つかります。これが利用者様1人1人に合ったオーダーメイドのリハビリと考えております。
リハビリセンター岡崎駅前では、
脳梗塞を発症したのが左側の脳なのか、それとも右側の脳なのか、
高次機能障害がでているのか、整形的な疾患が動きを妨げているのではないか、
などの様々な要因を考えてリハビリプログラムを組み立て
時には、手で動作を誘導しながら運動の学習をしていただいたり
時には、利用者ごとに合わせた、わかりやすい言葉を駆使してアプローチしたり、
以前ご紹介したようなタブレットなどの道具を使用したり、
ホームエクササイズの指導をして継続した効果を狙っていくなど
利用者様の 動きの上達を徹底サポート させていただいております。
私たちは、動きと脳のリハビリ専門家として
オーダーメイドのリハビリを常にご提供しております。
そして、利用者様がリハビリセンター岡崎駅前という「動きの教室」で
体験して感じた言葉の1つ1つを大切にしていきたいと考えております。